編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

日本共産党

 昨秋の衆議院議員選挙では、野党が議席を伸ばすことができず、与党が勝利した。「野党共闘は失敗だった」、「共産党が要となったことが敗因だ」――そんな分析がマスコミを賑わせた。でも、本当にそうなのだろうか。そこで今号では、「日本共産党は日本の政治を変えるのか」と題して、特集を組んだ。今年は共産党結党100年の節目でもあり、夏には参議院議員選挙も控える。野党共闘が揺れているが、共産党はどんな役割を果たすことになるのか、再び議論が出てくるだろう。

 冒頭では志位和夫委員長に単独インタビューした。党名変更は検討していないのか、衆院選をどう総括しているのか、連合(日本労働組合総連合会)会長の共産党批判にどう対応するのか……などなどの質問をぶつけた。その他、衆院選で野党共闘成功に貢献した佐々木寛・市民連合@新潟共同代表、共産党に関するドキュメンタリーを制作している西原孝至監督へのインタビュー、一般党員の手記などを載せた。(文聖姫)

温泉ばなし

「青木理さんの文章を読みたい」。そういう声が読者から多く寄せられる。そこで連載をお願いしていたところ、このたび実現した。タイトルは「青木理の温泉という悦楽」。温泉にまつわるさまざまなエピソードを書いてくださる予定だ。月1回の連載を予定している。第1回目は、ふるさと信州・諏訪の温泉をめぐる物語だ。幼い頃、両親と通った共同湯の情景を読んでいると、こんなぜいたくな温泉に通っていた青木さんがうらやましくなった。同時に、青木さんの子どもの頃がなんとなく想像できて、ほのぼのとした気持ちになった。ユーモアと優しさあふれる青木さんのもう一つの魅力が満載だ。

 今週号では、消されかかった演劇『明日のハナコ』についてもミニ特集を組んだ。原作者の許可をいただき、脚本の要約版も掲載した。

 特集は3月9日に迫った韓国大統領選挙だ。現時点での与野党候補の支持率はほぼ互角で、最後までどうなるかわからない。ソウル特派員の現地ルポなどを交えて、その行方を探る。(文聖姫)

日米地位協定

 1月31日から2月4日までの週、編集部はとても慌ただしかった。1週間に2度校了日があったからだ。普段の校了日は月曜日だが、休日の関係で金曜日が校了日になる場合がある。そうなると週に2度校了日がやってくるというわけだ。大変ではあるが、これも本誌をできる限り金曜日に届けるためである。

 編集長になってから3カ月が過ぎた。励ましの手紙や電話をいただくことも少なくないが、ご批判やお叱りを受けることもある。先日は「時宜にかなった特集がない」という厳しい批判をいただいた。たとえば、オミクロン株の主要な拡散原因である在日米軍、その元凶である日米地位協定についても十分に特集を組めるではないか、と。貴重なご意見だと思う。

 今回、在日米軍が汚水を排出していた有機フッ素化合物(PFAS)の問題を取り上げた。この問題も日米地位協定の不平等さが深くかかわっている。今後も読者の意見も参考にしながら、本誌ならではの特集企画を考えていきたい。(文聖姫)

韓流

「『週刊金曜日』で韓流特集をやりたいね」。辛淑玉さんからそんな提案が寄せられていると、一昨年秋、同僚の宮本有紀が知らせてくれた。常日頃、BTS(防弾少年団)だの、「愛の不時着」だのと騒いでいるから、適任だと思ったのだろう。企画が動き出したのが昨年の春。半年かけて実を結んだ。特集では、辛さんが「韓流」に詳しい3人とそれぞれ対談した。朴慶南さんとは「韓流」の歴史を語りあった。木村元彦さんとは、日本の映画・ドラマの中の在日がテーマだった。北原みのりさんとは、「韓流」の中でフェミニズムがどう描かれているかが中心の話題となった。三つの対談を通じて、「韓流」の面白さが読者にもわかっていただけるのではないかと期待する。日本政府が佐渡金山遺跡の世界文化遺産登録をユネスコに推薦すると表明した。韓国は、同地で戦時中に朝鮮人の「強制労働」があったとして、反発している。このままでは日韓関係のさらなる悪化は避けられない。こんな時だからこそ、特集で文化交流の大切さを伝えられたらと思う。(文聖姫)