編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

統一教会の表記について

 本誌では、先週号と今週号の2号にわたって、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係が疑われる国会議員リストを掲載しました。ジャーナリストの鈴木エイト氏が作成したリストにある国会議員一人ひとりの事務所に質問状を送り、得た回答を付け加えました。編集部からの再三の要請にもかかわらず、回答がなかった議員の対応は残念に思います。しかし、105人中73人からは回答が得られたので、約70%の回答率です。もちろん、「相手方もあることなので、回答を差し控えさせていただく」という、実質的な「無回答」もありましたが。自民党の萩生田光一政調会長問題をはじめ、政治家と統一教会との関係は連日報じられています。本誌では今後も、統一教会と政治の関係を追及してまいります。

 本誌では今後、統一教会に旧をつけないことにします。2015年の名称変更後も、反社会的カルト集団であることに変わりはなく、政府が名称変更を認めたことを追認することになると考えるからです。(文聖姫)

弊誌関連裁判ご報告

 本誌記事で名誉が毀損されたとして会社経営の男性(以下、原告)が本社と筆者(ジャーナリストの成田俊一氏)に1億1000万円の損害賠償を求めた裁判で、最高裁判所第一小法廷(安浪亮介裁判長)は7月14日、本社の上告を棄却しました。これにともない、本社と筆者に対し連帯して110万円を支払うよう命じた一審京都地裁判決(2020年9月28日)が確定しました。当該記事は18年7月6日号掲載の「警察の闇 暴力団の破門状事件めぐり京都府警が過去を隠した男」。京都府警本部の新築工事の警備業務を、元暴力団組員であったと疑われる原告の経営する警備会社が受注し、そこに府警の幹部警察官が天下りして要職に就いていると指摘。記事では複数の証人の証言をもとに原告が組員であった可能性が高いことを疑惑として指摘、原告は組員ではなかったと争っていました。

 一審判決後、原告と筆者、本社は控訴、大阪高裁は一審判決を支持し本社と成田氏の控訴を棄却。本社は最高裁に上告していました。(文聖姫)

ついてない日

「ついてないな」と思う日がある。これを書いている今日がまさしくそんな日だった。たわいない話だ。朝、最寄り駅で電車に乗った。通勤時間帯なので当然座れない。で、立った場所が悪かった。私の前の両隣の席に座っていた人は次々降りていくのに、私の前の人は降りない。結局乗ってから40分ほど立つ羽目に。それだけの話だ。

 人間は日々何らかの選択をしている。それが良かったと思うこともあれば、間違ったかなと思うこともある。もし、この道を選ばなければ、違う人生もあったのに、と考えることも少なくない。でも、違う道を選んだところで、きっと何らかの不満は残るだろう。体験しなかったもっと良い選択肢があったのではないかと考えるからだ。

 個人の選択肢なら、「ああ、今回は選択を誤ったな」で済むだろう。でも、これが国家ともなると話は違ってくる。「誤った選択」をしないために、ギリギリまで考えに考え抜かねばならないだろう。一番愚かなのは戦争という選択肢だ。(文聖姫)