編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

創刊29周年にあたって

 本誌は11月5日に創刊29周年を迎えた。今週号は1400号である。ここまで来られたのも、読者のみなさんの支えがあったからだ。改めて感謝申し上げたい。記念号で何を特集すべきか、編集部で討議を重ねてきた。

 統一教会をテーマに有田芳生さんと青木理さんに対談(9月9日号掲載)してもらった際、公安警察に関する興味深い話を聞いた。公安情報と政治の関係をいろんな角度から斬り込んでみてはどうか――ということになり、まず、『日本の公安警察』(講談社現代新書)を書いた青木さんの話を聞いた。日体大の清水雅彦教授からは、日本学術会議の任命問題で面白い話が引き出せた。自衛隊の情報活動については、その道に詳しい共同通信記者の石井暁さんにインタビューした。そして、出会い系バー通いを『読売新聞』に書かれた前川喜平さんにも話を聞いた。いずれも緊迫感あふれる内容だ。浮かび上がってくるのは、日本が監視社会になりつつある、いやもうなっているのではないかという懸念である。(文聖姫)