編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

ジャーナリズムの未来

 1月7日、東京・渋谷で開催されたシンポジウムに登壇者として出席した。東京造形大学名誉教授の前田朗さんの編著書『ジャーナリストたち 闘う言論の再生を目指して』(三一書房)の出版記念会を兼ねたものだ。本は9人のジャーナリストに前田さんがインタビューし、『マスコミ市民』に掲載した内容を一冊にまとめたもの。5人が登壇し、ジャーナリズムの現在と未来について語り合った。

 いま、日本におけるジャーナリズムの状況は決して明るいものではない。政権に忖度して、ニュースなどでも、本当に伝えられるべきものが伝わっているのか、と思う時もしばしばだ。報道が偏向していると感じることも少なくない。そういう状況で、「メディアが横断的な仕事をすべきだ」という意見に共感した。小さなメディアが互いに励まし合いながら、権力監視を続けていく必要があるというわけだ。小さなメディアだって、力を合わせれば大きな力になる。今年は志を同じくするメディアとの横のつながりも大切にしたい。(文聖姫)