編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

北朝鮮選手団

 ピンク色のシャツにグレーのパンツやスカートを穿いた集団が注目を集めている。8月16日に中国遼寧省丹東に到着した北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のテコンドー選手団一行だ。カザフスタンで開かれる世界選手権に出場するのだという。

 普段ならどうってことない光景だ。だが、何しろ北朝鮮は新型コロナが猛威を振るい始めた2020年1月から国境を封鎖し、ごく一部の場合を除いて人の往来はストップしていた。大人数が国境を越えるのは実に3年7カ月ぶりだ。このことが国境を開放することにつながるかもしれない。実際、北朝鮮は来月中国・杭州で開催されるアジア競技大会にも選手をエントリーさせているという。

 長引く国境封鎖によって外国から物資の輸入がままならないことで、食糧や日用品の不足が深刻だという話も伝わってくる。国境を開放することは各国との経済関係の再開をも意味する。北朝鮮の人々の暮らしが改善されるためにも、開放が進むことを願っている。(文聖姫)