編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

彼女たちが路上に立つわけ

 1週間ほど前の夜、東京・新宿の大久保公園界隈を歩いて驚いた。路上に多数の若い女性たちが一定の距離を置いて立ち、それを上回る大勢の男性たちが集まっていた。話では聞いていたが、実際に自分の目で見る異様な光景にショックを受けた。

 大久保公園周辺では、売春目的で客待ちをする女性が増えているという。『朝日新聞』(多摩版)2023年10月4日付によると、警視庁は1~9月、客待ちの20~46歳の女性計80人を売春防止法違反容疑で摘発した。昨年1年間の51人を大きく上回った数字だ。警視庁保安課は9月に入り、同法違反容疑で35人の女性を現行犯逮捕した。このうち約7割が20代だという(同紙)。問題は、なぜ売春をする女性が増えているかということだ。前述の『朝日新聞』によれば、客待ちの理由は、ホストクラブなどに通うためが約4割。「経済的困窮」を挙げた女性が約1割だった。

 彼女たちが路上に立つ背景には何があるのか、それをきちんと追わなければならないと思った。(文聖姫)