編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

選挙権

 今回ほど選挙権をほしいと思ったことはなかった。東京都知事選に1票を投じたかったからだ。私は日本で生まれた在日コリアン2・5世(父が1世、母が2世)だ。ハングルの読み書きはできるが日本語母語話者である。税金だってきちんと納めているし、生活がどん底の時でも社会保険料を滞納したことはなかった。そして日本生まれの日本育ち。にもかかわらず選挙権がないのだ。国政とまでは言わない。せめて、自分が住んでいる所のトップを決める地方自治体選挙に参加したいと思う。そうすれば今回の都知事選で、自分の思いを「投票」という形で表現できたのだから、その機会を最初から与えられないことは残念だ。

 連日の異常な猛暑のため、本誌7月5日号「きんようびのはらっぱで」に掲載した7月14日開催予定だった講演会「あの時、僕らは13歳だった」は無期延期すると、主催者から連絡がありました。91歳とご高齢の寒河江正氏の健康に配慮したためです。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。(文聖姫)