障害者と災害
2025年1月17日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
1月9日放送のNHK「バリバラ」は、阪神・淡路大震災当時、障害者が全国の仲間の支援を受けながら、地域住民を巻き込み、救援活動を展開したことを取り上げた。
脳性まひがある福永年久さん(当時42歳)が恐れたのは、地域から障害者の姿が消えること。特別な支援がないなか、介助を受けながら地域で暮らす障害者の自立生活は弱いものだった。そこで障害者に限定せずに炊き出しなどの復興活動を自ら行ない、地域に存在をアピールした。
ただ、今は介助者がいれば、地域とは無関係に障害者の生活が成り立つ。危機感を覚えた「ゆめ風基金」では障害者が学校に出向き、子どもたちといっしょに避難訓練をする取り組みを行なう。インクルーシブ教育の必要性は言われているが、子どもが障害者と接する機会は乏しい。
「地域で障害者が当たり前に生活しないと、災害のときだけ助け合うのはムリ」「日常と非日常はつながっている」
障害当事者の言葉は重い。露呈した課題は30年たっても解決していない。(吉田亮子)