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卒業式のあり方

 強制は調教——。卒業式での「君が代・不起立」処分の取り消しを求めて裁判を闘った大阪市立中学校の元教員、松田幹雄さんら(「君が代」不起立処分撤回!松田さんとともに学校に民主主義を!)が「『卒業証書授与式』を使わないで」と訴えている。

ホームページによると、戦前の「卒業証書授与式」や「卒業式」は、天皇、日本国家に忠誠を尽くす意識を刷り込む行事であったことと、式の主役が卒業生ではなく学校長であったこと(『学校禮法 儀式編』川島次郎著、1942年より)が理由だという。

 大阪市教委とは「君が代」の指導なども含めて何度も協議を重ねた上で、すべての大阪市立小・中学校に「『卒業証書授与式』のことばを使わないでください」と2月にメールを送付した。これを契機に卒業式のあり方について論議が起きることが狙いだ。

 くわしくは、東京都の卒業式での状況とともに誌面で報告したいと思う。東京ではあたたかい日が続いたせいか、もうサクラが咲き始めた。(吉田亮子)