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09年は「考えるべきこと」について考えることから始めたい

 裸木に数枚の枯れ葉がついて風に揺れている。大半の葉は路上に落ち片付けられたのに、なぜ、この数枚だけが生きているのか。いや、すでに命は失われているのか。土に還った、あるいは清掃車で運ばれた葉と、木にとどまっている葉は、どちらが幸せなのか。そもそも葉に幸不幸の想念はあるのか。ひたすら考える。

 振り返れば、考え続けてきた日々が私という道に敷き詰められている。そして考えれば考えるほどわからないことばかり。だから、また考える。「命とは何か」に答えが見つからない限り、生きる意味はない。だがそのことを考える自分は命が尽きれば消えていく。たとえようのない矛盾の中に命も私もある。だから、また考える。

 いつのころからか、人はあまり「考える」ことをしなくなった。考えなくてもいいように「誰か」が仕向けたのではないかと疑う。考えるから人間なのに、考えない道具にする。そんな戦略を考え実行に移すのは「権力」だ。彼らの催眠から逃れるためにも、〇9年は「考えるべきこと」について考えることから始めようと思う。

 今年初めの「一筆不乱」は、ここからは余白にしたい。みなさまとともに「考える」ために。(北村肇)