編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

今週は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の砲撃事件を特集した。

編集長後記

 今週は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の砲撃事件を特集した。今回の事件をいかに理解するべきか。複数の信頼できる朝鮮半島の専門家に聞いたところ、米国と北朝鮮が対話をするしかないという結論に至った。なぜか。朝鮮戦争の休戦協定を締結した相手方である米国しか戦争状態を終了させる相手はいないと北朝鮮が考えているからだという。分析すれば北朝鮮の論理は一貫している。力も金もない弱者が生き残る術は理屈だけだからだ。だが、その国が核を持つまでに至った。北朝鮮との和平協定交渉を放置してきた米国の責任である。米国の世界軍事戦略上、北朝鮮という仮想敵が必要だった。在韓米軍、在日米軍は北朝鮮への抑止力として第一義的に存在しているわけではない。一方、日本のマスメディアは米韓演習で北朝鮮が戦争を起こすと扇動する始末。悪質で滑稽である。さて、「抑止力」の前線に立たされている沖縄県の知事選では現職の仲井眞氏が勝った。変節せずに米普天間飛行場の県外移設の公約を貫いてほしい。(平井康嗣)