与党・民主党が二〇〇九年衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約当時は鳩山由紀夫代表、五五項目)が見直される方向だという。
2011年1月28日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
与党・民主党が二〇〇九年衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約当時は鳩山由紀夫代表、五五項目)が見直される方向だという。民主党はこの国民との約束によって有権者の票を得て大勝したはずだが、マニフェスト実現に必要な財源がないこと、政権を担当してみて初めて官僚から知らされた情報があったことなどから見直すそうで、マスコミも歓迎している。このような与党の振る舞いをいつから公約違反と批判しなくなったのだろうか。
結婚だろうが商行為だろうが“契約”成立後、当初予想していなかった事情が生じるのは当たり前の話だ。それでもよほどのことでもない限り守らなければならないから約束になる。たとえば民法第一条二項の「事情変更の原則」も、滅多に認められるものではないから原則であり、「伝家の宝刀」と呼ばれる所以である。
そもそも政党そのものが、法律上の定義がきわめて緩い存在なのである。そんなヌエ的な政党だからこそ、公約で信用性を高めていたはずではなかったか。 (平井康嗣)