ほとんどのメディアが企業広告に支えられている。
2011年4月15日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
ほとんどのメディアが企業広告に支えられている。広告も情報などと言う輩もいるが、言論にとって広告費は、時にウランやプルトニウムである。一見「効率的」「安定的」だが、言論を侵蝕する猛毒だ。『週刊金曜日』を原子力によって動かすつもりはない。今週号では電力会社のPRマネーを食ってきた人、原子力を推進してきた人を批判した。ただ異論を承知で言うならば原発の危険性を認識して原子力推進を公言してきた一部の輩の理屈は通っている。在日米軍や死刑制度への賛成論と同様、到底受け容れられないが、理屈の先に横たわる価値観こそ問題視したい。一方で原発は安全・クリーンと発言したり、リスクから目をそらしたり、それ以前にリスクに気づかないで、原発神話に加担してきた連中は情報発信者として構造的に重大な欠陥を抱えている。あなたの感性や、放射線のように可視化困難な言説は今後も社会に深刻なリスクを拡散させていくだろう。無責任な言論活動をした輩は早く運転を停止していただきたい。危なすぎる。(平井康嗣)