超格差社会を生んだと批判されている新自由主義思想は一言でいえば「小さな政府」
2011年11月18日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
超格差社会を生んだと批判されている新自由主義思想は一言でいえば「小さな政府」、
二言でいえば「法の支配」と「市場経済」だろう。
最近、この新自由主義の復権という声がまたぞろ聞こえてくる。
ごく一部だが。新自由主義をきちんと実施していないから現在の混乱があるというが、効かない薬は効くまで飲めというサギ論法である。
しかし、そもそも特定の思想を政策として完全に実施することは不可能である。
可能だという主張は、理性万能で設計主義的である社会主義的発想だ。
ハイエクら新自由主義者は、そういってマルクスやケインズを「大きな政府」だと批判したはずだが。
そんなマルクスはかつて次のように行きすぎた資本主義を分析している。
「ブルジョアジーは、支配権をにぎったところではどこでも、封建的、家父長制的、牧歌的な諸関係を、すべて破壊した」
(『共産党宣言』大月書店)。階級的対立論にとどまらない視座がある。思想や政策はたいがい批判から生まれるが、過去との断絶はいけない。(平井康嗣)