岩波書店が社員募集をした
2012年2月17日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
岩波書店が社員募集をしたが、著者の紹介状か社員の紹介がないと応募資格がないとし、これには私の周囲でも賛否が割れた。社内的に “熟議” し合理的と判断したのだろう。
同社の場合、雑誌もあって多くの執筆者が書いているし、大学の教員も多い。ただいわゆる有名大学に行っていないと受験資格がほぼなくなるだろう。ちなみに私も『食から立て直す旅』を金子勝さんとの共著で出している(注:宣伝)。
今週号の特集で連想すれば暴排条例による暴力団の可視化で一般市民を巻き込んだ警察と類似しているとは言い過ぎか。仕事の一部を外部化したという意味だ。
では「金曜日」ならばどうか。弊社は零細出版社と事情が違う。欠員が出ないと募集しないし、岩波書店のような数千という応募も来るわけではない。
私の場合で言えば、前職が町工場と出版業界と無縁で、紹介を得ることは不可能ではないが雲を掴むような話。今ここにいないことは間違いない。自分のアイデンティティを否定する社員募集はできないな。 (平井康嗣)