東京電力は放射性物質まき散らし事故によって東北の人びとを大移動させる公害をもたらしている
2012年4月13日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
東京電力は放射性物質まき散らし事故によって東北の人びとを大移動させる公害をもたらしている。
だが、経営者の責任を問う空気にならないのは、なぜだろう。
「(死者の出ない)食中毒を起こした雪印乳業は、記者会見で経営者がつるし上げられ、潰された」(河合弘之弁護士)のに。
そもそも、事故当初、当時の清水東電社長が姿を消したことを追及したのも米国の『ワシントン・ポスト』などだった。
無責任な経営者に海外の記者は大騒ぎしたが、日本のメディアは関心を払わなかった。
『続・トヨタの正体』(弊社刊)で株式会社研究家の奥村宏さんが会社をサン付けで呼ぶのは日本だけでは、と指摘している。
「ミスター東電」と「東電さん」は意味が違う。
ある経営者はサンドバッグとなるが、経営者の顔が見えない大企業には批判は鈍る。
大企業への幻想はこれほど刷り込まれている。
そのトヨタ自動車も今、米国で莫大な民事訴訟に見舞われている。
もちろん日本のメディアさんは、ほとんど報道していないのだが。
(平井康嗣)