今週号の特集では震災や低線量被曝に対する「女子」の気持ちが語られている
2012年9月21日9:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
今週号の特集では震災や低線量被曝に対する「女子」の気持ちが語られている。
男が母子や妊婦(と明記はされていないが)ばかりを救済対象としているということへの、単身女性たちからの異議である。
これまで「福島女子」が表面に出てこなかったのは「男性側に偏った社会」が原因だと対談では語られているが、本音はもっとありそうな気もする。今後に期待だ。
母子といえば昨年、文科省前にもつめかけた母たちの”一揆”は素直に共感を呼んだ。
しかし対談を読み、その行動にすら男支配の影響が潜んでいるのかと過剰すぎる疑いも湧いた。
「家事」と「育児」は女の仕事という社会の延長線上にもはまる行為だからだ。
ただ、母子を難詰するつもりはもちろんなく、むしろ腰のひけた多くの「男」や「父」たちの存在が浮かび上がる。
政治、社会、哲学、芸術、宗教まで男が支配し、現在をもたらしたのか。
とりあえずボーヴォワールが愛した浮気男・サルトルを読み返そうか。
人は真に自由になりえるのか、などと。
(平井康嗣)