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先日遺体で見つかったZ全国指名手配容疑者

 先日遺体で見つかったZ全国指名手配容疑者。
 もはや無用となった、一〇〇万枚刷られたという手配ポスターには顔写真の横に「おい、Z!」とでかでかと添えられていた。

 知人のZ氏はこれが不愉快で、自宅近くの交番に文句を言ってポスターをはがさせた。
 なぜこの気持ちを見逃していたのだろうか。それは私がZという名字ではないからだ。

 これを拡大させたのが橋下徹大阪市長の『週刊朝日』事件だ。部落差別の意図はなかったと言うが、としても「ハシシタ」と敢えて見出しに打った。
 これは出自と名前とその性格を結びつけて貶めることを狙った確信犯ではないか。
 橋下という名字の人の心中はいかがなものだろうか。

 さて、メディアを熟知していることを常々強調してきた市長は騒動を奇貨とした。
 『週刊朝日』との資本関係という強引な論理を主張し、「ノーサイド」を示唆し『朝日新聞』の謝罪と連載中止を得た。
 「修羅場」をまたくぐり抜けて成長してしまった。
 と思いきや、ずいぶん汚くゴネはじめた。この程度か。
(平井康嗣)