『週刊文春』が大手スーパー、イオンの「中国産偽装米」を報じ、店頭から撤去された。
2013年10月18日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
『週刊文春』が大手スーパー、イオンの「中国産偽装米」を報じ、店頭から撤去された。イオンはこと食品(魚介)の放射能汚染の自主検査ではグリーンピースが一位に評価していた。『文春』側は「読者の知る権利、報道の自由を失わ」せる(一〇月一一日付『東京新聞』)と回答している。
私人間で憲法上の人権が対立した場合、自由主義の立場からは基本的に他者の人権(自由)を侵害する自己の人権(報道の自由など)を正当化するとする主張は許容されるものではない。しかし民主主義に資するものや公共性を吟味した場合、許される人権の強度の行使はあると私は考えている。
報道の自由への侵害があれば闘うべきだ。ここで今、民主主義を支える憲法上の人権侵害すると多くの団体が反対声明を出している特定秘密保護法案というものがある。国家という「公」が考える「秘密」を永久に秘密にする反人権法案だ。報道の自由や知る権利を本気で主張する者が、この法案にどのような態度で臨むかは自明である。(平井康嗣)