特定秘密保護法案は強行採決された。
2013年11月29日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|平井 康嗣
編集長後記
特定秘密保護法案について二六日の衆院特別委員会で町村信孝・自民党PT座長が「NSC法案の二倍の審議時間だ。採決するには十分な環境は整った」と述べたが、これは理由にはならない。NSC法案の審議時間が短すぎるとも言えるし議論時間の正しい指標とはなにか。しかし法案は強行採決された。
近年、ここまで特定の法案に反対運動が盛り上がったことは稀だ。印象に残る反対運動は一九九九年の盗聴法、二〇〇三年の個人情報保護法、二〇一一年の脱原発関連だが、今回はそれ以上とも言える。にもかかわらず安倍政権が強引に推し進め得るのは、三年間選挙がなく、短命政権疲れのあとの「ひさびさの長期政権」のためである。だからこそ反対の声も強い。
自公政権はこれからテロ対策で諜報機関を創設し、他国との情報連携を深める算段だ。それは仮想敵との線引きを強める。対テロ政策を進めるほど他国のようにテロに巻き込まれるリスクは高まり、社会の不安も強まる。私にはこれが一番怖い。 (平井康嗣)