編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

〈中谷元防衛相は「文官統制」が規定されたのは、戦時中の軍部独走の反省からか、との質問に

編集長後記

〈中谷元防衛相は27日の閣議後記者会見で、防衛省設置法に「文官統制」が規定されたのは、戦時中の軍部独走の反省からか、との質問に「そういうふうには私は思わない」と述べた。
 中谷氏は、文官統制導入の理由や経緯について重ねて尋ねられると「私はその後生まれたのでよく分からない」と述べた。〉(共同通信2月27日ネット配信)

 保守本流とされた宏池会出身の肩書が泣く発言だ。大臣は防衛大学校卒かつ陸上自衛隊出身だが、そこでは文官統制について教えなかったという告白となる。私は大臣よりも後に生まれたが、大日本帝国憲法下の戦争の反省から、現役武官を閣僚にしないという現行憲法の「文民統制」は大学で知った。

 自分らに都合の悪そうな歴史や事実を軽視する姿勢は今の自民党を象徴する。歴史を独善的に解釈する安倍首相は、原発事故は「アンダーコントロール」、「日教組は補助金をもらっている」と妄想を時折開示する。ほかにも独善的な思い込みは山ほどあるはずだ。 (平井康嗣)