本気と親身
2016年4月15日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
『週刊金曜日』前の専大通りを北にまっすぐ15分も歩くと、格闘技の聖地と呼ばれる後楽園ホールにたどりつく。私は年に10回くらいこの場所でボクシングの試合を観ている。
リングの上では元チャンピオンをふくめ引退した元ボクサーらが、現役選手のセコンドをしている。首にタオルをまき、1分の休憩の合間に選手の汗を拭き、マッサージをし、水を口にふくませ、親身にケアをする。それは彼らにとって当たり前の姿だ。きっとそのセコンドも選手時代にその助けがあって試合を闘うことができたはずだからだ。
選手にとってそれがいかに心強いか。私も初めてリングにあがったときに、普段は厳しいコーチや遠慮がちな選手が懸命にセコンドをしてくれてちょっと感動した。
選手がリングにあがったならば信じて応援するしかないのだが、本気で闘った人は選手も本気だと信じたいものだ。逆に現役選手もリングの上で本気で生きなければ、引退後に親身に応援されないし、応援もできないことになってしまうのではないだろうか。