外務省の役割
2016年4月29日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
安倍首相は憲法改正に執着しているが、憲法を変えればひとびとの暮らしがよくなるものか。今の自民党改憲草案(の背後にあるイデオロギー)ではそうはならないだろう。では自衛隊が国防軍になると日本の誇りが取り戻されるのか。むしろ日本の安保政策は世界でますます危険視されていくだろう。
安全保障上最大の課題は核軍縮だ。この点にかんして、小誌2015年8月28日号で川崎哲氏は「日本政府は、アメリカが核兵器の使用を限定することについて、ことさら反対してきた」と例を挙げて指摘している。
政府とはつまり外務省である。独自に安保政策の絵を描き、集団的自衛権の行使容認にまでつなげた主犯だ。6カ国協議の最重要課題も核だが、北朝鮮は水爆実験を実施してしまった。北朝鮮が核開発を進める大義名分は平和協定を結ばない米国の核兵器による「核脅迫」なのである。
日本政府に責任がないと言えるのか。米国を利用して危機を作り出す外務省は、かつて戦争に邁進した旧日本陸軍の役割を担い始めている。