イヤな感じ
2016年7月8日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|admin
今回の参院選は争点隠し選挙とも呼ばれる。自公与党が後出しジャンケンで、野党の政策を取り入れて一見、争点を無くすからだ。
そうすれば有権者が改革を促すために野党に投票する動機が弱まる。だから安倍首相は改憲や安保法など民共と対立する問題の争点化を避け、改憲について遊説では一切に口にしないという。
本欄でたびたび繰り返すが、そもそも自民の「保守」は、ある一時代(妄想上の)の体制を護るための反動「保守」だ。その一時代は復古的イデオロギーの時代であり、経済面では大企業を護る「保守」だ。それは立党以来変わらないが、労働法制が改悪され、政府が企業にさせてきた労働者への再分配が崩壊しつつあり、労働者が大企業や政府からも見捨てられつつある中でより顕在化してきた。
余波は企業労働者の家族にも及び、「子どもの貧困」「一億総下流」という言葉まで出ている。庶民の暮らしに対策しないと不満が広がるのは当たり前だ。しかしそれを渋り続ける自民政治の「貧困さ」が、「イヤな感じ」だ。