朝鮮半島有事
2017年6月2日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
どうして最近、物事は安倍政権に都合がいい展開になってしまうのだろう、と言ってみる。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)がまた弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に落下したというニュースが入った。政府は、これを口実に、最大の危険である原発の再稼働は進める一方で、“朝鮮半島有事”を煽る。
いや、と思い直す。これまでの政権も“朝鮮半島有事”を巧みに利用してきた。結局、大手メディアが加担して、政権にとって都合の悪い部分を落とし、都合のいい部分を強調しているだけだろう。冷静に考える余地を市民に与えないことも、戦略の一つだ。
専門家と称する人が、現地に精通していたら決して口にするはずがないことを、事実であるかのように語る。テレビは言った者勝ち、雑誌は書いた者勝ち。反論が出ないことを知っているからだ――最近話をした在日の研究者が嘆いていた。そして、肩身の狭い思いをしている在日の人たちをさらに追い込む政策を、安倍政権は打つ。悪質だ。