騙しのテクニック
2017年6月16日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
これを書いている13日午後の時点では、共謀罪の審議について、大きな動きがない。今週号の共謀罪をめぐる足立昌勝氏と板橋功氏による討論でも、審議が尽くされていないという点では一致している。権力批判を厭わない『週刊金曜日』に関わる人たちすべてを脅かすこの法案に、最後まで反対する。
種子法廃止、介護保険法改定、労働基準法改定など、“悪法国会極まれり”の感のある今国会。だが、毎年この時期に発表される「骨太方針」にも驚いた。私は元参議院議員の峰崎直樹氏のメールマガジンで知ったが、今週号で、「経済私考」の鷲尾香一氏が鋭い指摘をしている。“目くらまし”がほどこされていることだ。財政健全化が厳格化されたようにみえて、実は安易な達成目標が格上げされただけという次第だ。専門家による分析がなければ「なるほど」とやり過ごしてしまう。
安倍政権の一つの特徴がこの騙しのテクニックではないか。それが当たり前のようになっていることがおそろしい。