編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

チャンスはある

 今週号が出るころは選挙戦も大詰めだ。経済を立て直した安倍政権という自己評価がいかにおかしいか、今週号の佐々木実さんによる「経済私考」をお読みいただければわかるだろう。「史上最高のGDP(国内総生産)」をめぐるかさ上げ疑惑だ。

 小池百合子希望の党代表から「排除」発言を引き出したのは、今週号に記事を執筆されている横田一さんだ。キャリアが豊富な上に地道な取材をされる謙虚な方だ。都知事の非公式会見で横田さんが「(小池氏が前原氏と)共謀して『リベラル派大量虐殺、公認拒否』とも言われているのですが」と質問を向けると、小池都知事は思わず「(リベラル派を)排除いたします」と答えてしまったのだ。

 安倍政権の復興相を質問攻めにして「出ていけ」と言わしめた西中誠一郎さんも、こまめに集会を取材されていて、行く先々で見かけることが多い(復興相は別件も重なり後に辞任)。政治家の嘘を暴くのはジャーナリストの使命だ。投票日まで、まだチャンスはある。