どこを向いているのか
2018年4月13日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
政府はどこを向いて仕事をしているのか。辺野古新基地の完成後、周辺にある沖縄工業高等専門学校や沖縄電力の送電鉄塔が、航空機の安全離着陸のための高さ制限を越えていることがわかったという。沖電には移設の要請をしているが、「学生と職員計921人が過ごす高専には説明していない」(4月10日付『沖縄タイムス』1面)。
姑息な対応の違いが意味するところを改めて考える。もっとも大きな危険にさらされるのは誰か? 住民だ。その住民には知らされない。確かなのは、最優先すべきものが住民ではないということだ。
今週号では、朝鮮半島有事の平和的解決に向けて、関係諸国が動き出しているにもかかわらず、安倍政権が軍事大国化を一辺倒に進めている実態を報告する。
昨年の4月21日号で後田多敦さんが指摘してくれた「東アジア秩序や社会の破壊者としての日本の誕生」の歴史を思わず重ねてしまう。東京の為政者からは想像もつかない光景がそこからは見えてくる。