問われているのは
2018年5月11日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
今週号が出るころには、中韓日の首脳会談も終わっている。事態は刻々と変化しているうえに、黄金週間の休みもあって、正直、誌面を組むのが難しい時期だった。だが、物事の本質は変わらない。
安倍首相が圧力一辺倒で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係改善のため、ほとんどなんの方策も講じてこなかったということ。そして何よりも、近隣アジア諸国との関係を軽んじ、対米関係を最優先してきたこと。安倍外交失敗のツケを払う時期が来たということだ。
李克強首相の来日前に習近平国家主席と安倍首相は初の電話会談を行なった。「まさに日中関係の改善が進んでいるということ」という首相官邸HPのコメントを見てのけぞった。中国や北朝鮮に対する国内感情をとことん悪化させ、それを自らの政策の追い風としてきた安倍首相、関係改善を志向しているわけがない。成り行きでしょうが。もちろん結果がよければそれでいい。だが、問われているのは戦争回避への意思、その一点ではないか。