メディアの役割
2018年9月7日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
今週号の発売はちょうど自民党総裁選の告示日だ。安倍晋三首相と石破茂氏の一騎打ちは4日の時点でほぼ確定している。この間の安倍陣営の石破陣営への攻撃、「パワハラ」と評する意見があるが、たしかにハラスメントそのものに思える。執拗に相手を不快にし、尊厳を傷つけ、不利益を与え、脅威を与える。
党員参加型の選挙なのに、オープンな場で2人が議論を闘わす場が設定できないというのはおかしい。これは自民党という組織の問題だろう。不透明で歪な選挙戦が前例になることが恐ろしい。
30日投開票の沖縄県知事選でも同様な違和感を抱く。玉城デニー氏と佐喜真淳氏の事実上の一騎打ちといわれているが、佐喜真氏が討論会や、討論番組に出ない方針をとっているからだ。不確定な要素が入る場を避け、自分たちの思い描いたシナリオ通りに進む場にしか登場しない。そうなると隠された部分を明らかにしていくメディアの役割は重大だ。フェイクニュースへの対応も必要になってくる。制限時間は短い。