編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

おかしなことばかり

 気になっていた裁判で驚くべき判決が下され、たじろいだ。

 一つは今週号で安田浩一さんが報告してくれている櫻井よしこ氏らへの名誉毀損裁判での札幌地裁の判決だ。本誌はこの裁判について、節目節目で記事を載せてきたので、「なぜ?」という疑問を抱かざるを得ない。来週号では、判決内容を精査した上で記事を出す予定なので、そちらも読んでいただきたい。

 もう一つは東京都教育委員会が教員に下した処分をめぐる裁判だ。東京地裁で勝訴したが、高裁での控訴審で逆転敗訴となった。第1回口頭弁論が開かれた後に結審したので、問題なく勝つだろうと原告側はみていたらしい。

 一連の裁判を傍聴したことのある私も、突然の展開についていけない。本誌でもこの案件は取り上げてきたが、都教委が校長に圧力をかけて教員に不利になる、事実でないことを言わせていたことが、裁判の過程で明らかになった。その当該の人物が、その後昇進していたということも今回聞いた。本当におかしなことばかりだ。