やわらかな感性
2019年10月4日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「凄い試合!」。ラグビーワールドカップ2019日本大会の様子は編集部内でも話題になっている。
私はラジオやネットで結果を知るだけだが、9月28日には日本チームがアイルランドに歴史的勝利を収めたという。個人的には松島幸太朗選手の活躍が気になる。安倍晋三首相によるツイッターでの祝福メッセージには引いてしまったが。
最近『軍馬と楕円球』(中野慶=著、かもがわ出版)という小説を読んだ。高校のラグビー部員、吉沢鉄朗が主将に退部を告げる場面から始まる。そして、戦争に徴発され、数奇な運命を辿った馬の歴史を調査する話へと続く。現代の高校生の部活動と戦争というのは結びつきそうもないテーマに感じられるかもしれないが、予想外の展開と知られざる歴史的事実に好奇心を刺激され、一気に読んだ。
若い人は私が考える以上にやわらかな感性をもって、多様な現実を生きているのかもしれない。いや、いくつになっても、自分で枠をはめずに好奇心を持ち続ければ……。