見倣いたい
2020年3月19日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
先週後半は私用で関西に。新幹線の車両は空いていたが、同じ車両にくしゃみを20回くらいする乗客の方がいてハラハラした。私もそのうちつづけて「ハクション」。周りのピリピリが伝わってくる。思わず身震い。
14日の安倍晋三首相の記者会見はまたまた「お気持ちの表明」で具体策が示されず。本誌連載執筆者のお一人、阿部岳『沖縄タイムス』記者が会見打ち切りのそのときに、安倍首相にむかって「総理、これが記者会見と呼べるんですか」と食い下がったのはよかった。それにしてもNHKの政府広報化は完成段階か。
今週号、韓国の盧泰孟医師による「韓国で最も感染者が多い大邱の一日」は現場の緊張と苦悩が漂う。障害者本人が陽性判定を受けた話は切実だ。
事前に予測可能だが、〈社会はその予測可能なことに対して何の準備もしていなかった〉〈すべての医療労働者たちの献身が支配者側の倫理によって美化されないことを願う〉。絶望の淵にあっても内省的で怜悧。及ぶべくもないが見倣いたい。