市民の記録
2020年11月6日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「女性差別……条約選択議定書」。共産党の小池晃議員が国会で「女性差別撤廃条約選択議定書」の批准を迫ったのに対し、菅義偉首相は答弁中「撤廃」が言えなかった。漢字が読めなかったのか、条約を承知していなかったのか?
今夏、熊本女性学研究会の冊子『新女性史研究』が届いた。巻頭論文に興味を持ったことから送ってもらったのだが、中身を開いてその充実ぶりに驚いた。特集は「女性の権利確立のために」。だが、メンバーが高齢で、これが最後の冊子と聞いた。
「完全護憲の会」近刊の『三鷹事件・巨大な謀略の闇』も読み応えがあった。国労に1949~84年勤め、謀略事件の真相究明活動や裁判闘争などに関わった御年97歳になる福田玲三氏が記したもの。松本清張の著作に訂正をさせたエピソードも出てくる。
各方面で地道に研究を重ね活動を続けてきた市民の方々の記録に接すると、国会での首相の棒読み、読み違えが違ったものに見えてくる。首相は歴史や科学にもっと謙虚であってほしい。