編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

あきれるばかり

 安倍晋三前首相の「桜」疑惑について、東京地検特捜部が前首相の公設第一秘書らから任意での事情聴取をし、政治資金規正法違反などの有無を調べていることが報道された。2013~19年の「桜を見る会」前夜祭の費用を、前首相側が負担をしていたのではないかという疑いがかかる。本誌今週号でも取り上げた。

 前首相は、数々の案件で疑惑を生み、説明責任を果たさぬまま辞任してしまった。

「ようやく?」という言葉が浮かんでしまうが、慎重に調べを進めているのなら、それは結構なことだ。菅政権の日本学術会議の任命拒否問題の陰で報道が少なくなったが、疑惑が消えたわけではない。

 安倍前首相は、「慰安婦」報道をめぐり本誌発行人・植村隆が櫻井よしこ氏を相手に起こした名誉毀損訴訟の上告を最高裁が11月18日、棄却したことをうけ、事実に基づかないことをフェイスブックに書き込んだ。

 呆れるばかりだ。裁判については今週号アンテナ欄で取りあげているので、詳しくはそちらを見てほしい。