春の道
2021年1月8日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
年が明けて4日、東京の朝は清々しい。だが、新型コロナウイルスの感染拡大、経済の行き詰まり、貧困の深刻化……、これまで以上の困難が立ちはだかっているように見える。そんな不安を抱えたこの年末年始、口ずさみ慰めになったのが韓国の詩人・鄭浩承(チョン・ホスン)さんの「春の道」だ。
「道の終わるところにも道がある 道の終わるところにも道となる人がいる 自ら春の道になり果てしなく歩く人がいる 川の水は流れてやみ 鳥は飛び去り戻らず 天と地の間のすべての花びらが散っても 見よ 愛が終わったところでも 愛として残っている人がいる 自ら愛になり 限りなく春の道を歩いていく人がいる」
昨年4月24日号本誌の「ヒラ社長が行く」で植村隆発行人が紹介している詩だ。それを本誌読者のAさんが墨で清書して、贈ってくれたので、会議室のボードに掲げていた。それを胸に刻みつけた。
日々の雑誌づくりのなかで大切なものを読者の方とリレーをしながら繋いでいく喜びを、噛みしめる。