知れば知るほど
2021年2月26日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「なぜ? 五輪中止できないのか」。
今週号特集タイトルだが、知れば知るほどその疑問を強く抱く。東京五輪・パラリンピック観客向けのアプリの開発に約73億円が投入されているという。衆院予算委員会で17日、尾辻かな子議員(立民)が政府に答弁を求めているのを中継記録で見て、初めて知った。
このアプリ、訪日する観客の入国前から出国後までの健康管理を行ない、コロナ感染拡大を防止するためのもの。仕様書では入国後、14日間の待機もワクチン接種も不要と謳っているという。
つい先日、接触確認アプリ「COCOA」(3億9000万円)の不具合のため、約770万人に通知が届かなかったことが明らかになったばかり。そもそも大会自体が中止の可能性があるし、実施されたとしても無観客の可能性が高いんじゃなかったか。
万が一のために観客用アプリを開発することは仕方ないとしても、不具合がでるかどうかわからないものに私たちの命と健康をまかせることだけは避けたい。