俵義文さんを悼む
2021年6月11日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
「子どもと教科書全国ネット21」前事務局長の俵義文さんが闘病中のところ、6月7日に逝去された。
同会は家永・教科書裁判の成果を引き継ぐために1998年、結成された。その中心的な存在であった俵さんは「新しい歴史教科書をつくる会」と闘う弊誌の常連執筆者だった。
教育基本法改悪のときは、教育基本法に関する特別委員会の議論は〈まさに日本会議による「国会ジャック」〉と喝破。その実態がよく知られていない時代から、日本会議の動きを注視されていた。
弊社と同会の事務所が近いこともあって、何度か事務所に俵さんを訪ねた。たくさんのビラに囲まれて忙しく作業をされていた。
最後にお見かけしたのは、2015年の安保法制反対のデモのとき。炎天下、憲政記念館の近くを、教科書ネットの幟を掲げて汗をかきかき歩かれていた。お声をかけたところ、笑顔で応えてくれた。昨年、『戦後教科書運動史』(平凡社新書)を出された。
享年80。哀悼の意を捧げます。