記者を逮捕
2021年7月2日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|小林 和子
本当に驚くことばかりだ。『北海道新聞』の新人記者が旭川医大の学長解任を議論する会議を取材中、逮捕されてしまった件だ。詳しいことは今週号アンテナ欄をみてほしい。
公益目的で取材をしていて、著しい行き過ぎがあったようにも見えない。なのに、なぜ「逮捕」なのか。
「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)が6月28日付で「抗議声明」を出している。まったく賛同する。
「記者といえども法律を破ったら逮捕されるのは当然」というバッシングをネットでは多数見かけた。公共の組織であるにもかかわらず情報を出さない大学に執拗に迫るのは、市民の「知る権利」に資する取材活動ではないのか。
2016年の8月20日、沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設の資材搬入の工事車両を止めようとする市民らを取材していた『琉球新報』と『沖縄タイムス』の記者を機動隊員が拘束し、取材妨害した事件を思い出す。妨害が昂じて今度は「逮捕」? と思えてしまう。