編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

トルコ・シリア大地震

トルコとシリアを襲った大地震による死者が12日、3万3000人を超えた。行方不明者がいることやアサド政権と反体制派の間で内戦が続くシリアからの情報が伝わりにくいことを考えると、死者はさらに増えることが予想される。高層マンションなどやビルが無残に崩れた様子など、テレビが伝える映像を見るだけでも、現地の深刻さが伝わってくる。そんな中、懸命な救助活動で瓦礫の下から助け出された人々の姿を見ると、少しホッとする。だが、現地は零下4度になることもあるそうだ。帰る家を失った人々の精神的・物資的ダメージは大きい。今後のケアが必要なのは言うまでもない。

 それにしても、トルコの被災地の状況は刻々と伝わってくるのに比べ、内戦が続くシリアからの情報がなかなか伝わってこないことが気になる。報道などを見ると、特に反体制派の支配地域の情報は入りづらいようだ。当然のことだが、被災した人々は誰もが平等に扱われなければいけない。シリアの人々への人道支援も不可欠だ。(文聖姫)