ウクライナ侵攻2年
2024年2月22日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|文聖姫
ロシアがウクライナに侵攻してから明日で2年が経つ。今号では「終わりの見えないウクライナ戦争」を特集した。筆者の一人、丸山美和さんはポーランド在住の大学教員でジャーナリスト。先日、一時帰国中の丸山さんが弊社を訪ねてきた。彼女が持参したたくさんのおみやげの中には珈琲豆もあった。この豆には深い意味がある。ウクライナ南部黒海沿岸の都市ミコライフ在住の女性が、輸入した豆を自宅で焙煎しネットで販売しているのだという。「ミコライフはかなり危険な地域」と丸山さん。それでも彼女の夢は自分のカフェを持つことだという。ゆったりした気分で珈琲を飲めることの幸せを噛みしめた。
特集のもう一人の筆者、『朝日新聞』論説委員の駒木明義さんも指摘するとおり、停戦の見通しは立たない。国外に逃れた人々も少なくないが、国に残って戦う兵士だけでなく、戦禍の中で日常生活を送る人々も大勢いる。でも、その日常生活は私などが決して想像できない、常に危険と隣り合わせのものだ。(文聖姫)