「日本語わかりますか」
2024年3月1日7:00AM|カテゴリー:編集長後記|文聖姫
先々週末、ガザで医療支援を続ける医師の猫塚義夫さんにインタビューするため、札幌に行った際の話。ホテルでチェックインしようとしたら、パスポートを見せてほしいという。私は、特別永住者なのでパスポートは持ち歩いていないと言ったら、じゃあ在留カードを見せてくれ、と。で、特別永住者証明書を見せた。さらに、ホテルの設備を説明された時の“とどめの一言”。「日本語わかりますか」
親切心かもしれないが、「ああ、またか」というある種、あきらめムードになった。こんな思いをするのは、子どもの頃から数えて何度目だろう。敗戦後から数えると、在日コリアンは80年近く存在し続けているのに、いまだに知らない人がいる。名前をみて、「中国人? 韓国人?」と聞いてくる人も。韓国人と答えると「日本語お上手ですね」。これも定番の反応だ。「私は在日コリアン2世で、日本で生まれ育ったから、むしろ日本語の方が得意なんです」という説明もこれまた定番。だから何だと言われれば、それまでなんだが。(文聖姫)