編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

11月19日、東京・日比谷公会堂で緊急市民集会を開きます

今週号は、本誌創刊13周年記念号。それに免じて、思い切り宣伝のご容赦を。

 11月19日の日曜日、東京・日比谷公会堂で緊急市民集会を開きます。集会名はズバリ「ちょっと待った! 教育基本法 共謀罪 憲法改悪」。午前11時から4時間半、本誌発行人佐高信をメーンキャスターに、13人の論客が集結します。
 
 城山三郎さん、岸恵子さん、内橋克人さん、永六輔さんなどなど、いずれも手弁当で駆けつけてくれます。特にシナリオはありません。思い思いに「いま感じていること、怒っていること、心配していること」をぶちまけてもらいます。そして、こんな世の中をどう変えていったらいいのか、みんなで考えたいと思います。
 
 個人的には、労働組合の役員として、市民運動の一員として、相当数の集会に係わってきました。正直、疲労感だけが残ったこともあります。基地問題の市民集会を主催したら数人しか集まらず、組合役員のほうが多かったという苦い経験もあります。「集会の開催」が自己目的化したことに気づき、自己嫌悪にも陥りました。
 
 それでもやめません。「独りではない」ことを確認したいからです。道警と、裏金問題で闘い続けた道新の記者が話していました。「仲間がいれば闘える。仲間がいなければ闘えない」。臨時国会が風雲急をつげるいま、仲間が集うことが必要と考えています。

 中曽根元首相は「憲法を変えることで保守革命が実現する」と公言してきました。安倍首相は、そうした発想の保守勢力が一丸となって支えているのです。拉致問題が追い風になったり、北朝鮮の核問題が絶好のタイミングで起きたりと、「運」のいい首相であるのは確かです。しかし、あなどるわけにはいきません。

 この臨時国会で、安倍政権は教育基本法改悪に向け全力を挙げてくるでしょう。国民投票法案の審議時間も積み重ねてくるはずです。共謀罪については「寝たふり」をしていますが、沖縄県知事選や福島県知事選の結果によってはわかりません。2つ衆議院補選も含め「4戦全勝」になったら、強行してくる可能性があります。

 権力は巨大で、しかもしたたかです。市民が対抗するには、どんなに手垢が染みついた言葉と言われようが、「連帯」しかありません。休日のいっとき、熱いが心地よい空気を共有しませんか。 (北村肇)