都条例・非実在青少年とは? 表現の自由を侵すと専門家らが多角的論議
2010年5月24日6:27PM
「(これで東京都と規制反対派の)どちらが誤解を広めているのかはっきりしたと思います」――司会の藤本由香里さん(明治大学准教授)が集会をこう締めくくると、東京・豊島公会堂を埋めた約一〇〇〇人から盛大な拍手がわき起こった。一七日夜に開かれた集会「どうする!? どうなる? 都条例――非実在青少年とケータイ規制を考える」では、弁護士や日本書籍出版協会、作家、憲法学者、法社会学者など、さまざまな専門家が、東京都青少年健全育成条例改正案(改正案)の問題点を多角的かつ具体的に論じた。
改正案は、三月議会に上程され継続審議となったが、六月議会で再び審議される。六月中の成立、一〇月施行の可能性も考えられる。
作家や業界団体などから強い批判が高まったことを受けて、東京都は四月二六日、「質問回答集」を発表、「創作活動を萎縮させるものではない」などとしている。
これに対し、集会では「解釈でどうにでもなるから、都の質問回答集は無意味」「新聞・テレビは、表現の自由の危機との認識がなく思考停止状態に陥っている」「警察幹部に知人が多いが、この改正で青少年の健全育成ができると思っている人はゼロ」「出版社ですでに自主規制が始まっている」などの発言が相次いだ。
(伊田浩之・編集部)