改正環境アセス法案 防衛省が求めた米軍基地の除外
2010年5月25日8:22PM
防衛省が、改正環境アセス法案を巡る省庁協議において、日米安保に基づく米軍施設と日米地位協定に基づく自衛隊施設について、今回新たに加わる戦略的環境アセスメント(SEA)の適用除外を求めていたことが、情報公開法に基づく開示請求で分かった。開示された協議文書によれば、同法案に関する省庁協議は、二月二三日に開始、三月一八日に終了。法案は翌一九日に閣議決定されている。
この間、防衛省は四回にわたり、「構想立案段階において、自治体や国民に防衛施設の整備に関する情報を提供した場合、様々な反対運動が起こることが想定され、防衛施設の整備にこれまで以上の支障が出ることが予想されるが、法案を適用したことに伴い生ずる支障について、どのような見解をお持ちか」等の「質問」を繰り返した。三月に入ると、「意見」として米軍施設と自衛隊施設のSEA適用除外を求め、さらに「今後予定される普天間飛行場移設およびFCLP(陸上空母離着陸訓練)施設の建設計画が制限を受けないようにしたい」と、その詳細を政令に定める旨を環境省に求めていた。
協議文書では、環境省が三月一日までは防衛省の要求に応じず、同日、外務省からも「在日米軍施設・区域の提供に悪影響が及ばないよう」との連絡を受けた後に屈し、閣議決定の三日前、三月一六日に法案に除外規定を書き加えて各省に連絡を行なっていたことが示されている。
(まさのあつこ・ジャーナリスト)