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村木元厚労省局長公判 三時間に及ぶ論告も苦しい検察の主張
2010年7月2日7:07PM
大阪地裁で開かれている郵便不正事件の公判で六月二二日、大阪地検は虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われている村木厚子元厚労省局長に対し、「(自称障害者団体)凛の会と共謀、部下に(格安郵便を扱える)証明書の発行を依頼したのは明らか」と懲役一年六月を求刑した。
部下で係長だった上村勉氏の供述調書を横田信之裁判長は「検察官の誘導の可能性がある」として証拠採用せず、苦境に陥った検察による注目の論告。一部採用された厚労省関係者、「凛の会」関係者の調書、および、立件に有利になる法廷証言をつなぎ合わせ、「中央官庁は議員案件なら企画課長(当時の村木氏)を通らないはずはない」といった、立証もしていない「一般論」「推論」を加味した代物だった。
盛んに民主党の石井一参院議員(事件当時は衆院議員)の名を出すなど、失敗した民主党幹部狙いへの未練も表れていた。三人の検事が交代で三時間も読み上げた長大な論告文は重複が多かったが、途中、読み上げる検事が「立証責任は検察側にあるのですが……」と言うなど弱気な面も。
村木氏代理人の弘中惇一郎弁護士は「分量ばかり多いが少ない材料を繰り返すだけ。議員案件という言葉にしがみついた苦しい論告。情状面で村木氏が否認していることを非難する部分もないのは意外」と話した。
(粟野仁雄・ジャーナリスト)