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JR採用差別事件 最高裁で和解成立
2010年7月2日11:52AM
一九八七年の国鉄分割・民営化の際に起きたJR採用差別事件は六月二八日、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)で和解が成立した。四月九日に当時の与党三党(民主、社民、国民新)と公明党がまとめた政治解決に基づき、旧国鉄を引き継いだ鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、組合差別によるJR不採用の損害賠償などを求めた国労組合員ら原告九〇四人に対し総額一九九億円(一人平均約二二〇〇万円)を解決金として支払う。同機構は六月三〇日に金銭を振り込み、今回の和解を拒否した六人を除く原告九〇四人が同日、最高裁などで争っていた五つの訴訟を取り下げる。戦後最大の不当労働行為事件をめぐる闘いは、国鉄改革から二三年以上が経ち、ようやく裁判上の決着がついた。
一方、雇用問題では原告のうち一八三人がJR採用を求め、一五一人がJR関連や公的機関などを希望。四党の政治解決で政府はJRへの採用要請やその他の雇用問題で努力することを約束している。今後は国鉄時代に不当労働行為を働いた職員が役員や幹部を務めるJRがどれだけ社会的・道義的責任を果たすかが焦点となる。
二〇〇二年に旧国鉄への訴訟を最初に起こし、闘ってきた酒井直昭原告団長は六月二八日の記者会見で「ほっと一息というところまでこられた。雇用問題という大変大きな課題が残っている。JRへの就職を希望する者すべての採用をJRが人道的な観点も含めて受け入れてもらいたい」と語った。
(白嶺隆・ジャーナリスト)
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