村木厚子元厚労省局長公判 判決は9月10日 村木氏「静かに待つ」
2010年7月9日1:11PM
厚労省の元局長村木厚子氏(起訴休職中)が虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた事件は、大阪地裁(横田信之裁判長)で六月二九日、最終弁論が行なわれ、弘中惇一郎主任弁護士は「いかなる視点からも被告人は無罪。裁判所は厳正なる無罪判決を」と結んだ。最後に被告人席に立った村木氏は「保釈まで五カ月以上も拘置所で暮らし、夫や娘に大変な心労をかけました。役所も休職の形になり一年以上離れています」と、メモを手に無念の心情を読み上げた。ほぼ五カ月の審理は終結し、九月一〇日の判決を待つ。
三時間近い弁論では「倉沢氏(邦夫・凛の会会長)が石井一参院議員(事件当時は衆院議員)に口添え依頼した事実も、石井氏が村木氏の元上司へ(格安便認可の証明書発行を)依頼した事実もない。事件の大前提が崩れている」「検察のストーリーに合う供述調書を多数作成し、女性キャリア局長を起訴するというはじめに結論ありきの強引な捜査」などと検察を指弾した。
弘中氏は「石井氏への捜査が村木さんを起訴した後といういい加減さ。議員案件事件を強調しながらこんな捜査があるのか」と批判した。
懲役一年半を求刑されている村木氏は会見には出ず、「判決を静かに待ちたい」とのコメントを残した。弁論は多くの関係者証言について「偽証罪のリスクを冒して偽証するとは考えられない」とした。
(粟野仁雄・ジャーナリスト)