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和歌山カレー事件、林さんの支援者らが大阪で再審支援集会
2010年7月29日8:08PM
一九九八年七月に急性ヒ素中毒で六〇人以上が死傷した和歌山カレー事件の元被告人で、昨年五月に死刑確定した林眞須美さん(四九歳)の支援者らが大阪市内で一八日、林さんの再審請求活動を支援する集会を開いた。約一四〇人が参加した。
会では、昨年七月に再審請求した弁護団が、三月に和歌山地裁に新たに鑑定請求をしたと公表。林さんの毛髪から高濃度のヒ素が検出されたとする鑑定に不自然な点があったとし、再鑑定を求めたものだ。弁護団は従前の毛髪鑑定の結果が否定されれば、ひいては、同じ鑑定人が同様の手法で認めた「カレーに混入されたヒ素」と「林家で見つかったヒ素」の同一性も否定される、との考えを示した。
会には、ドキュメンタリー作家の森達也さん、講談師の神田香織さんが出演。森さんは「林さんが白か黒かは僕にはわからないが、裁判は明らかに不当だった。無罪推定が守られなかった典型例」と指摘。判決確定前に林さんを弟子に迎えた神田さんは、林さんと子どもらの手紙をもとに構成した講談を披露。「こんな素敵なお母さんと子どもたちを一日も早く自由にしてあげましょう」と呼びかけた。
「再審請求していなかったり、支援者がいない死刑囚は刑が執行されやすい印象がある。こういう集会は今後もやっていかねばと思う」と『林眞須美さんを支援する会』の鈴木邦男代表。大阪拘置所の林さんは現在、親族や弁護人以外との外部交通を一切許されない状態が続いており、弁護団と支援者は同拘置所に林さんの処遇改善も求めていく構えだ。
(片岡健・ルポライター)