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「反菅」で鳩山・小沢グループ結集
2010年8月27日1:42PM
一九日、長野・軽井沢で鳩山由紀夫前首相のグループの研修会が開かれた。小沢一郎前幹事長を含む約一五〇人の国会議員が参加し、民主党代表選への小沢氏擁立に向けた決起集会のような様相を呈した。小沢氏の立候補を求める声が次々と上がり、同氏が懇親会会場を後にする時には鳩山前首相の側近中山義活前首相補佐官が「小沢先生をシュプレヒコールで送り出した方が気合が入る」と言い出し、参加者が「気合だ!気合だ!」と連呼。小沢氏が「互いに力を合わせて一生懸命頑張り、国民の期待に応えるようにやりましょう」と応える場面もあった。
懇親会前の講演会(約一二〇人が参加)でも、鳩山派と小沢派が反菅で結束しようという“予兆” はあった。鳩山氏が講師として招いたのは、普天間基地の辺野古移設反対論者の佐藤優氏。「日本の外交政策について」と題した講演の中で、鳩山政権崩壊の主原因となった普天間問題について鳩山前首相の取り組みを高く評価。「鳩山前首相が抑止力を勉強してわかったと言ったのは、官僚がどういう論理で抑止力を使うのかということがわかったということ」と解説しつつ、「仲間内では沖縄の人たちは『鳩山さんはいい人だ、沖縄のためを思って一生懸命やった』と言っている。沖縄の過重負担を目に見えるようにした鳩山氏の役割は歴史の中で正当に評価されると思う。それをどう発展させていくかが政治家の課題だ」「抑止力を維持しながら海兵隊が沖縄から出ていくシナリオを考えるべき」とも指摘した。
その一方、辺野古見直しの気配すらない菅政権に対しては「最小不幸社会はできることを着実にやっていくという官僚的発想」「今の民主党は “第二官僚党”のようになっている」などと批判。「官僚対政治家」の権力闘争についても次のように説明した。
「政権交代後、今この瞬間も官僚階級と政治家との権力闘争が続いている」「官僚は『国民は無知蒙昧の有象無象の集団である』と思い、『有象無象から選ばれた無知蒙昧のエキスのような国会議員の言うことを聞いていたら国家は崩壊する』と本気で考えている」「普天間問題は、官僚が決めたことを鳩山前首相が政治主導で変えようとして霞ヶ関が猛反発、包囲網が敷かれて辞任に追い込まれた」
こんな対立の構図「官僚的な菅政権対官僚が決めたことを変えようとする政治主導派」が浮き彫りになった。佐藤氏の講演は、官僚の傀儡と化したような菅首相を打倒、政治主導を目指すべきと研修会参加者に訴えたようにみえるのだ。
鳩山派中堅で「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」会長の川内博史衆議院国交委員長も「小沢氏に出馬をしてほしい」と待望論を口にした。川内氏は小沢前幹事長と面談し、「普天間問題は代表選の争点になる」との見方で一致。代表選告示直前の二六日と二七日、議連メンバーや福島みずほ党首ら約二〇人と沖縄を訪問、国外移設派で沖縄知事選への立候補を表明した伊波洋一宜野湾市長や稲嶺進名護市長と面談、辺野古移設を決めた日米共同声明の見直しをアピールする予定だ。なお、この議連の前会長は鳩山氏。国外・県外移設を目指した鳩山氏を引き継ぐ形で会長となった川内氏は、県内移設をこう批判している。「辺野古移設問題は防衛省と外務省の “官僚利権”。米国の威を借りて巨大基地建設を進めることで予算や権益がついてくる」「米国側の資料や米軍関係者への聞き取り調査により、普天間の主力ヘリ部隊を含め、大半の部隊がグアムに移転し、沖縄に残るのは三〇〇〇人程度の一時的な駐留部隊ということが判明。数千億円から一兆円以上かけて辺野古沖に巨大基地を作る必要はない」。
この沖縄視察には小沢前幹事長の支援を受けた三宅雪子議員や福田衣里子議員、田中美絵子議員らも参加予定。普天間問題が代表選の争点となり、「菅首相は官僚傀儡政権。財務官僚だけでなく、外務・防衛官僚の言いなりでもある」といった見方が広がれば、政治主導に原点回帰するために、小沢氏を擁立しようという動きが加速する可能性は十分にあるだろう。
(横田一・ジャーナリスト)
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